澤田 幸子: 2015年7月アーカイブ

自称『勝手に地元応援団』

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京都駅からJR湖西線で約20分、比叡山坂本という駅の近くに住んでいます。
駅から西へ15分歩くと比叡山ケーブルカーの乗り場、東へ15分歩くと、かの有名な琵琶湖があります。
高層の建物はほとんどなく、飲食店は夜10時に店じまい...という、
ちょっと懐かしさも感じる静かな町です。

私は8年ほど前にここに引っ越してきましたが、近所をうろうろ探検していて、
お寺などの史跡や、趣のある街並みが多いことに驚きました。
ちょっと歴史を調べてみると、なんと、今はこんなに静かな坂本が、
中世までは京都に次ぐほどの大商業都市だったというのです。

聖徳太子が建立したというお寺(西教寺)もあるので、相当古くから人々が暮らしていたようですが、
667年に天智天皇が大津に都を移し、788年に最澄が延暦寺を建立するという流れの中で、
坂本にはたくさんの渡来人がやってきて、技術や学問が発展していったそうです。
平安時代から室町時代にかけて、延暦寺が強大な勢力を持っていたというのは有名な話ですが、
全国の寺領から年貢米や参詣の人々が集まってきて商業・物流が発達し、
たいへんな賑わいをみせていたそうです。

ではなぜ、今はこんなに静かな町になったのか。
それは、戦国時代の比叡山焼き討ち。坂本の町もすっかり灰になったそうです。
その後、琵琶湖の東側を通る東海道が幹線道路として整備されていったため、
この町は、ぽつんと歴史に取り残された場所になったそうです。

でも、だからこそ今でも多くの史跡や自然が残り、私たちの目や心を楽しませてくれます。
日吉大社の参道は、春はソメイヨシノや枝垂桜が咲き誇り、秋には紅葉が青空に映えます。
里坊の雪景色もなかなかのものです。
京都ほどメジャーな観光地ではないので、歩く人もやや少なめ。
お花見や紅葉を楽しんでいる人もいますが、ビールを飲んでどんちゃん騒ぎ...
などはしておらず、少人数で静かにお弁当を開いている人を多く見かけます。

お勧めは、白壁に真っ赤な紅葉が映える滋賀院門跡、山門からの琵琶湖の眺めが素晴らしい西教寺。
そして、少し足を伸ばしてケーブルカーに乗れば、比叡山で別世界の気分を味わうことができますよ。

撮り貯めてある写真を載せようかと思ったのですが、ぜひ足を運んでいただき、
ナマの空気を感じていただきたく、今回は載せないことにしました。
京都からもとっても便利な比叡山坂本(新快速も停まりますよ)、ぜひ一度、訪れてみてください。

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